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IT25・50シンポジウム【エピソード④】パーソナルコンピュータに2つの系譜があるのをご存知ですか?

12/10(月)インターネット商用化25周年&ダグラス・エンゲルバートThe DEMO 50周年「IT25・50」シンポジウム(https://it2550.peatix.com/)開催。
【エピソード④】<パーソナルコンピュータに2つの系譜があるのをご存知ですか?>
パーソナルコンピュータには、TUI(テキスト・ユーザー・インターフェイス)の系譜と、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)の系譜の2つがあります。TUIというのは、テキストをタイプしてコマンド(命令)を入力して操作する方式で、大型コンピュータやミニコンの流れを汲む、ある意味、正統で伝統的なスタイルのパーソナルコンピュータです。1974年12月にMITS社が発売したAltair 8800(アルティア8800)がTUIベースのパーソナルコンピュータ第一号でしたが、四角い箱の前面にスイッチとLEDが付いているだけで、しかも、電源やキーボードは別売。自分で組み立てなけえばならないという、コンピュータの知識がある専門家やマニアでなければとうてい扱えないシロモノでした。でも、それまで高嶺の花だったコンピュータを個人が所有できるというのは、当時、とても画期的なことで、たちまち人気を博しました。
ビル・ゲイツとポール・アレンは、Altair 8800をきっかけにマイクロソフト社を設立。同じくAltair 8800をきっかけにオタクたちが集まったホームブリューコンピュータクラブから誕生したApple I、 Apple IIもTUIベースのパーソナルコンピュータです。Apple IIは大成功しますが、そこに巨人IBMがIBM PCを提げて参入。アップルコンピュータ社は倒産の危機に見舞われます。この時、救世主となったのが、ゼロックス・パロアルト研究所で、Altoというミニコン上でパーソナルコンピュータの理想型「ダイナブック」のプロトタイプ「暫定的ダイナブック」を開発していたアラン・ケイでした。「暫定的ダイナブック」に触発されたジョブズたちは、1984年1月、GUIベースの世界初の商用パーソナルコンピュータ、Macintoshを発表します。
Macintoshは絶賛されましたが、当時のCPUパワーでは実用にならないほど高度な処理を必要としていたため、返品の嵐に見舞われ、ジョブズはその責任を取らされる形でクビになります。しかし、ジョブズは、新たにNeXT社を設立して、GUIをさらに洗練したUNIXマシンを開発。そのNeXTをアップルが買収し、ジョブズは奇跡的な復帰を果たします。そして、NeXTスタッフが中心となって開発したのがMacOS Xだったのです。
次いで、ジョブズは、アラン・ケイの「ダイナブック」にならって、iPhoneとiPadを発売。iPhoneが爆発的に売れたことで、アップルは時価総額世界一企業に上りつめます。
一方、マイクロソフトは、基本的にTUIベース、コマンド(命令)ドリブンの思想を受け継いでいる会社です。1995年に発売したWindows 95で大成功を収め、ビル・ゲイツは世界一の億万長者に上りつめますが、スマートフォン市場では完全に出遅れてしまいました。
アラン・ケイは、iPhoneもiPadも、自分が考えた理想のパーソナルコンピュータ「ダイナブック」には、まだまだ程遠いと考えています。もっともっと桁違いに個人の自由な発想や創造性を伸ばし、普通の人々が知恵と力を合わせて、理想的な未来社会を築くのを手助けするような、理想のパーソナコンピュータ「ダイナブック」とは一体どのようなものなのか?その秘密を解く鍵は、GUIをさらに発展させたUX(ユーザー体験)という言葉にあります。どのようなUXが未来を切り開くのか? それは、「IT25・50」シンポジウムで明らかにされます。乞うご期待。
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